公立保育園廃園・縮小条例案に対する反対討論
- jcpkoganei
- 9月27日
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9月25日、公立保育園のくりのみ・さくら保育園の廃園、けやき・わかたけ・小金井保育園の定員削減の条例が可決されました。
採決態度は次の通りです。
賛成14:岸田正義、鈴木成夫、吉良よし子(立憲民主)、天野かな(国民民主)、沖浦あつし(無所属)
(以上会派名はみらいのこがねい)
遠藤百合子、吹春康隆、河野麻美(自由民主党小金井)
小林正樹、中井れい子、太田宏徳(小金井市議会公明党)
水谷たかこ、ながとり太郎(小金井をおもしろくする会・市長与党)
清水学(自民党・街の仲間たち)
反対9:たゆ久貴、水上ひろし、森戸よう子(日本共産党小金井市議団)
渡辺大三、片山かおる(情報公開/子どもの権利)
安田けいこ(生活者ネットワーク)
坂井えつ子(緑つながる小金井)
村上ようすけ(れいわ新選組)
藤川賢治(小金井市政を見える化する会)
日本共産党議市議団を代表して森戸よう子市議が反対討論を行いました。なぜ反対したのか、紹介します。

議案第44号小金井市立保育園条例について反対討論を行います。
市長から提案された条例案は、くりのみ、さくら保育園を廃園にし、残された小金井、わかたけ、けやき保育園の定数を縮小することが提案されました。
市からは、在り方検討委員会の答申を尊重したと説明されますが、どこに答申が尊重されたのかさっぱり変わりません。しかも、地域との連携や保育の質の向上、困難を抱える児童の体制の拡充、在宅のお子さんの支援、災害時をはじめとする緊急時の対応など4つの役割によって、保育事業を拡大し、公立保育園の役割など事業を拡大させています。にもかかわらず、なぜ5園を3園にし、保育士の人数を減らすのでしょうか。これでは子育て環境がはますます後退していきます。
今回私たちが継続を主張したのは、来年度の募集定員は今回の条例制定の内容と変化はないこと、また医療的ケア児については、ガイドラインが実際には来年度で作成され、本格的には令和9年度から実施すると答弁されたこと、誰でも通園制度についても現場との話し合いはこれからということで定員についても何ら決まっていないとの説明でありました。形だけ先に作り、十分な議論もせず早く進めるべきと慎重な議論を否定することは許されません。
さらに保護者が納得していない中で、強行することはやめるべきです。改めて再付託することは否決されましたが、これでは市議会のチェック機能が十分に果たせたとは言えません。
反対する理由は、
① 市民、保護者の理解が得られておらず、小金井市の説明責任が果たせていないことです。
保護者からは、廃園理由やそれを裏付ける資料の提示を求め、再度説明会を開催してほしいと切望したけれど、9月の議会に間に合わないから説明会を開催しないと言われた、とのことです。
また陳情66号の陳情者からは、「父母会役員としてそして個人として公立保育園の廃園が長期的に考えた時に小金井市の子育て政策にとってマイナスになると警鐘を鳴らしてきました。何度も要望書を作成提出し、市の窓口にも時間を作って話をしに行きました。しかしこれまでの市の対応は残念ながら市民と対話をしたり共同して解決策を見出したりと言うものではありませんでした」と述べています。
そして陳情67号の陳情については紙芝居が披露されました。
くりのみ保育園でとったアンケートでは89%が廃園に反対、反対を避けたいという意思表示をされているとのことです。結論ありきと時間がないということだけで、力で押さえつけるやり方は、市民参加条例の趣旨にも反するもので許されません。
市民参加条例は、前文で、なんと書いてあるのか市長覚えていらっしゃいますか。
読み上げます。次のように述べていますよね。
「市政の主役は、市民です。市政をどのように運営するかによって、小金井市で生活する市民の暮らしは大きく左右されます。
また、市政に市民がどのようにかかわるかによって、市政運営のあり方は大きく変わってきます。したがって、市民の望むところを市政に積極的にいかしていくことは当然です。
しかし、市民の価値観や要求が多様で、その個性化が著しい今日において、市民の意見や要求を的確かつ迅速に市政に反映させるためには、種々の手段が必要です。そして、その手段は、市民に十分理解されるだけでなく、市民が利用しやすいものでなければなりません。
小金井市では、誰にとっても暮らしやすいまちであることを願い、市民の市政への参加と協働についての手段を制度として具体化し、市民の望む市政が保障できるよう、ここに小金井市市民参加条例を定めます。」と述べています。
改めて前文を読みましたが。この趣旨と今ご自分たちがやっていることにギャップがありすぎます。まさに市民参加条例に反すると指摘します。質疑の中で、10月から11月にかけて援護との説明会を開催するとのことです。そうだとしたら、今日採決はしないで保護者との話し合いを経てからでも遅くありません。
② くりのみ、さくら保育園は、満足度の高い保育園です。それは長年保育士の皆さんが培ってきたノウハウが引き継がれ、経験豊かな保育士が頑張ってきたからこそできたことです。
廃園になる二園は、子どもと子育て最中の保護者の拠り所になる拠点となっています。安定し、熟達した保育士さんが、保護者の悩みを聞き、児童一人一人を大切にする子どもの最善の利益を守るという理念を理解し、接していることが、保護者と子どもの拠り所になっています。それは保護者の皆さんなどの陳述が証明しました。
公立保育園運営協議会が毎年実施しているアンケート調査で、今年発表された調査では、くりのみ保育園は満足している、おおむね満足しているとを合わせると100%です。さくら保育園は、約95%という数字です。その内容として保育士の園児への対応がくりのみ保育園ではトップです。廃園をしようとしている保育園の保護者の保育士に対する信頼度が厚いことがよくわかります。
市長も陳情者の陳述の感想で、「安心して子育てができるように、保育の実践をしていることを改めて感じた。」と感想を述べられていましたが、
市長もそうした保育の実践に努力している保育園をなくしていいのでしょうか。むしろお金をかけてでも守るべきものではないですか。
③ 二つの保育園の廃園は、答申案を尊重したとはいえず、訂正すべだでという批判が出ています。
市は、検討委員会の中で、保育園は多ければ多いほどよいという声があったのは事実だが、多ければいいというものではないという声もあったとして、今回の条例改正に至ったと説明されました。問題はそこではありません。問題をはぐらかさないでください。答申ではなんと言っているのかということが大切ではないのですか。
答申は次のように述べています。
「市立保育園の配置については、現行の5園体制であれば市民にとって地理的にも身近であり、園にとっては子ども・家庭に目が行き届きやすいという利点がある。一方で、人員確保や老朽化対策のために園数や定員の調整を検討する必要がある場合には、次のような条件を満たせるよう検討すべきである。
⑴ 市内を適正な地域ブロックに分け、各ブロックに市立保育園が1園ずつ配置されるようにすること。 ⑵ブロックはできるだけ人口や所在する保育施設の数が偏らないように設定すること ⑶ 市内のどこからも子連れで歩いて15分程度以内に相談できる拠点が存在するようにすること。と規定しています。
こうした条件から見ても3園というのは結論として導き出されるものではありません。この答申を尊重しているとはいえません。
④ 2園廃園、3園の定数削減は、これから新たな保育事業をスタートさせようとしていることに逆行するものといわざるを得ません。
大事な幹となる部分を削ってなくしてしまって、どうやって枝となっている部分の目的が達成できるのでしょうか。逆行するものです。
在り方検討委員会の答申資料9には都内26市における公立保育園の状況が記載されています。公立保育園1園が持つ民間保育園の園数は3園を残すとすると13園です。5園だと7.8園で約8園です。
他市を見ると東久留米市は2園、西東京市も2.2園です。
答申案では、「市立保育園1園当たりの児童数や民間施設数が少ないほうが、連携や支援がしや すいと考えられる。小金井市は民間保育園が多いために、一園が連携する民間保育園の数は多く、役割を担い切れるのか、疑問です。
⑤ 今回の廃園は、東部地域や西部地域の拠点となる公立保育園がなくなることによって、東部地域には、支援が必要な子どもの入所、誰でも通園制度がなくなることなどこうした公的サービスが受けられれなくなる地域ができます。これらの地域の子育て世代が中央線を越えたけやき保育園を利用する以外にありません。東町の1丁目の方からけやき保育園まで何分かかるでしょうか。わかたけ保育園や小金井保育園まで行くことは困難です。雨の日も雪の降る日も通わなければならないことを考えると子育て世代の負担は重くなることは明らかです。そのような検討をおこなったのでしょうか。また東部地域には置き去り事故や建設工事費の不正受給の疑惑が持たれている民間保育園の他には民間は2園です。
保護者からは選択肢が狭くなることや、事故などの不安が増大するということです。
⑥そうした中指導検査の充実が求められています、3年に1回の割合で検査するとしています。が、実際問題としてどこまでやれるのかは不明です。現場では東京都と一緒に検査に4、5箇所入っているとのことですが、市が検査したのは昨年初めてで、1箇所だけでした。答弁で検査には、保育内容、建築、会計があるとして、建築や会計などは民間に委託するとのことでした。公立保育園を廃園にするというならば、保育内容の指導検査体制の拡充が求められています。
⑦ 裁判で小金井市は敗訴したにもかかわらず、違法で無効な条例のままで保育業務を現場の保育士に担わせたのは大問題だからです。
2024年2月20日の裁判の判決は、専決処分は違法で、違法な条例は無効だという判決が下されました。にもかかわらず、市長は廃園条例を撤回しませんでした。小金井市は司法の判断を無視し、違法なままで保育行政を進めてきました。この責任は重大です。
市民に混乱を起こしたこと、この間入所ができていないこと、実際に転園したり、引っ越した家庭がいることを謝罪してください、と陳情53号の陳情者は述べています。まさにその通りです。
また市民への説明で「主文の1は棄却されている。主文2では原告のみに対して無効である。法的な義務はない」として、その他の市民には廃園条例は有効である。と説明しています。
こんな出鱈目な説明はやめるべきです。これは陳情53号の陳情者の要請文で陳情者は主文1が却下されたから 条例は有効であるといういいかはたやめるべきと指摘しています。本当にその通りです。
専門家の意見でも、無効であるものを執行してはいけないと述べている。
専門家の意見を紹介します。
「本件募集廃止条例が違法・無効である結果、有効に存在している改正前の小金井市保育園条例に基づいて小金井市長が行動すべきことは、取消判決の効力という訴訟法上の効果ではなく、条例という客観的な法規範の実体法上の効果として導かれるというべきである。
このことは、「行政活動は法律に基づき、かつ、法律の定めを守って行われなければならない」という、行政法の最も基本的な原則である「法律による行政の原理」に照らしても、当然のことである。
ここでいう「法律」には、地方公共団体においては、当然、条例も含まれることになり[1]、地方公共団体の執行機関は、国会制定法律と地方議会制定条例に基づき、これに反しないように活動しなければならない。
そして、法律は憲法に違反してはならず(憲法98条)、条例は憲法及び法律に違反してはならない(憲法98条、94条)。
したがって、(条例を含む)法律による行政の原則の要請するところは、地方公共団体の執行機関は、違憲もしくは違法な条例を適用してはならないということである。
条例が合憲か否か、適法か否かの有権的解釈権は、最終的には司法権の担い手である裁判所に帰属するのであるから(憲法81条、裁判所法3条)、確定判決によって違法と判断された条例は、地方公共団体の執行機関によって適用されてはならない。「無効であるものを行政は失効してはならない」と述べています。
やってはいけないことをやっているのです。
この専門家は、法を遵守すべき自治体の当たり前のことを説明されています。公務員としての地方自治体としての基本の木ではありませんか。公務員に説明するのならばまだしも、なぜこんな基本的なことを説明してもらわなければならないのか、恥ずかしい話です。まだそのことが理解できないのですか。
次に、第3者への効力についてです。原告のみならず、原告以外のお子さんに対する効力の問題です。これは専門家はなんと説明しているのか、
「ただちに改正前の条例によって募集再開する義務はない。それは、行政事件訴訟法の趣旨が、取消訴訟による原告の権利救済の実効性を期することにあると解されること[2]に着眼しての評価であった。
しかし就学前の児童の健全な育成を図る保育サービスの性質に鑑みれば、本件においては、さくら保育園の入園児童の募集が再開されることこそが、原告の十全な権利救済を果たすことになる。
さすれば、少なくとも、さくら保育園における原告の子どもが在籍している年齢層の募集再開は、本件取消判決の拘束力(行政事件訴訟法33条1項)の要請するところとも解されよう。言い換えれば、さくら保育園の募集再開は、原告以外の第三者と被告小金井市との関係での問題で終わらず、原告と被告小金井市との間の本件訴訟に関わる問題として、行政事件訴訟法33条1項の「その事件について」に含まれ得るということである。」
原告と被告小金井市の本件訴訟に関わる問題であり、第3者もこの事件の中に含まれるのだという解釈です。
市は、原告以外のお子さんを募集することについて法的な義務の問題で逃げようとされていますが、専門家は定説ではないとしています。
質疑の中で、市は当初通説と答弁していましたが、私の通説とはいえないという指摘に変更されました。
市民はわからないと思ってこうした事実を誤魔化すやり方は許されません。法令遵守をしなければならない公務員としての資質が問われます。
⑧ 市は、裁判の判決に従わないことについて言い訳をします。保育士が不足していて厳しいからという言います。しかし、そのことよりもまずは判決の要請に応え、廃園条例を撤回し事務を執行することが自治体としてのあり方です。
そして職員をどうするかということは次の問題として検討しなければならないのはいうまでもありません。保育士の募集をかけ、欠員を1日も早く埋めることが必要ではないです。
陳情53号の陳情者は、民営化を前提に14名の任期付職員や育休代替の任期付職員等で大幅な定員不足となっているところが深刻とのことだが、正規職員に戻すべきだと述べています。また私も繰り返し述べていますが、事務職の任用替えの可能性を示唆することを改めるべきであるとも指摘しています。その通りだと考えます。
⑨ この裁判を受け歪んだ解釈をした結果、原告のみのお子さんを入所させるという非人道的な事態をつくりました。
これは子どもの権利条例の趣旨にも反するものです。
子どもの権利条例は、「おとなは、子どもにとって最もためになることを第一に考えて、子どもの年(ねん)齢(れい)と心身の成長にふさわしい支(し)援(えん)を行うようにしなければなりません。
と述べています。
市長が行なっていることは、このことに反するのではありませんか。市長と小金井市に対し反省を求め、0歳、1歳児の募集再開することを求めます。
⑨ また条例は、廃園になることがわかっていて、10月1日から2歳児のみ12名の募集を行うということです。現実問題として廃園になるのではないかという不安から、転園をされるお子さんが増えているのではないですか。これが廃園するということが決まれば、さらにお子さんたちは転園されることが予想されます。
現状でも、さくら保育園は3歳児は定員が24名のところ17名の空きがあります。4歳児は24名の定員で10名の空き、5歳児は24名で9名の空きが出ています。
これから下のお子さんが0歳や1歳の場合、同じ園での通園ができないため3歳から5歳までの上のお子さんの転園を希望されるご家庭が増える可能性はあります。
そして現在の2歳児クラスが一人も入所しなかった場合はどうするのですか?このお子さんは5歳には一人だけで保育を受けることになります。
今回2歳児のお子さんのことを考えて条例制定を急ぐと説明しますが、子どもの権利が著しく侵されている中で、人権侵害への反省もなく定員の数合わせをして、責任を取り繕っているとしか見えません。その上で、裁判の判決が求めている人権救済を行うべきであり、廃園を撤回し原告以外の年齢のお子さんの募集を再開すべきです。
⑩ 市が今回施設の老朽化を解決するには財政が厳しい状況の中では困難であるとしています。このことについて、陳情者は次のように指摘しています。
陳情58号の陳情者は次のように述べています。
「市長からは2050年までの将来的な財政不安や公共施設の戦いの必要について説明がありましたが、だからと言って公立保育園を廃園にして良い理由がまったく見出せません。現在は財源はあり、新庁舎を建てようとしてるじゃないですか。財政の将来不安のために保育園を建築した50年も前から積み立てをしてこなかったのは小金井市なのに、今を生きている子どもたちが犠牲になるのはおかしいと考えます。
陳情76号の陳情者は次のように述べています。
「市は保育士不足、財政難を理由に廃園を進めようとしていますけれど、新庁舎の建設には莫大なお金をかけると聞きました。子ども達の未来にはお金を掛けられないのに建物にはかけられる。そこにどんな優先順位があるのでしょうか。130億円越えの新庁舎を計画されていました。庁舎は必要な公共財ですが、それ自体は税収につながるものでしょうか。一方で保育基盤への投資は子育て世代の定住流入を支え人口雇用の維持、つまり将来税収の安定に寄与するものではないでしょうか。
この先、建てられないかもしれないから、今無理をして建てるのではなく、今建てられない状況をそのまま受け入れて未来の姿勢のあり方を検討してください。建物よりも人への投資を先に、この順番を正して欲しいのです。市庁舎は器ですが、保育園は市の未来そして人を育てます。市の持続性を支えるのは建物ではなく子どもと子育て世代です。と述べています。
こうした保護者の指摘をしっかりと受け止めるべきです。
11 陳情者からは在園児のケアの問題を指摘されました。保護者、保育園との検討委員会の場所を設けるということですが、保護者の意見をしっかりと聞いて進めていただきたいを考えます。
12 市長は、3年前の市長選の際に「廃園条例は撤回する」と公約に掲げました。私たちが擁立した候補者は「公立保育園廃園条例は撤回し、公立5園を存続する」と公約に掲げました。残念ながらこの違いは有権者に届かなかったことは私たちの力不足で残念でした。
条例及び陳情の質疑の中で、、市長は廃園撤回は掲げましたが、議員時代には5園の存続を求める陳情書には反対していた。5園の存続ははじめから考えていなかったのだということがはっきりしました。
有権者からすれば、白井市長が議員時代に何をやっていたのかは詳しくわかりませんから、廃園条例を撤回すると市長選で掲げれば、存続させてくれると思うのは当たり前のことです。
ましてや、前西岡市長が強行した専決処分は、違法であり、無効であるという東京地裁の判決が下されたことで、市長が廃園条例を撤回する道が開かれたと期待するのは当然ではないでしょうか。
まさに市長は保護者と市民の期待をことごとく裏切ったと言われても仕方がありません。有権者をごまかしたと言われても仕方ありません。白井市長、あなたには市政を運営する信頼は失われています。市長としては失格です。


























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